テクシオ・テクノロジーによるおじさんのためのIOT講座

ノイズとは

テクシオ・テクノロジーではノイズとはその人が求めている動作以外の機械的・電気的・空間的な揺らぎのエネルギーと考えています。

空間的な例では音楽を聴いている場合には、その音楽以外の音はすべて邪魔ではないですか?、コンサートで隣人が鼻歌など歌ったらとっても気になりませんか?、ヘッドフォンで聞いている場合の周囲の音が気になりませんか?、この気になる部分がノイズになります。

自然界では太陽フレアや雷のように膨大なエネルギーの移動により強い電気・磁気・音によるノイズを発生し、広範囲にわたりかなりの影響を及ぼします。人に溜まった静電気が放電する時も同様でこちらもかなりなエネルギーを持っています。エネルギーが小さいほうでは熱雑音という分子が振動する通常状態での微小ノイズも存在しています。影響は小さいですが、小さいものを観測している場合は全く影響がないわけではありません。

電気的な例では電圧・電流の変化、ON/OFFの切替え、デジタル回路のクロック動作はすべて電磁波として放出されノイズとなり、特に回路が高速で動いたり状態が大きく変化した時にはエネルギーが大きいノイズを発生します。放出されるエネルギーが大きい時に周囲に電子回路があると影響を受け動作異常を起こす場合があります。

電気的なノイズ種類として電気として伝わる伝導ノイズと電磁波として伝わる放射ノイズの2種類があります。どちらのノイズについても発生側ではそのエネルギー量が一定以下になるように規制が行われ、同様にノイズを受ける側でもある程度のエネルギーまでは問題無いように設計が行われます。発生側についての制限はエミッション(EMI)、受動側の受けにくさはイミュニティ(EMS)という国際規格となっており、両方でEMCと呼ばれています。

製品としてそれぞれの対策を行ない問題がないことを証明するために、正式な機関が有料で発行する測定結果:テストレポートが必要になります。

当社のスペクトラムアナライザGSP-9330は、正式な機関での測定の前にEMCの対策・確認に便利なプリテスト用機能を搭載し、測定が簡単な専用プローブを用意しております。

スペクトラムアナライザ:GSP-9330 放射用プローブ:ANT-05 伝導用プローブ:PR-01

IOTにおけるノイズとは

IOTにおいてはもともとの動作のエネルギーが小さいため、特に影響を受けやすく対策が大変ですが、それ以上に様々な電子機器をつなぐことによる接続・配線による影響があり、製品単体の対策だけでなく追加の対策が特に重要です。

一般的な配線に対する対策としては

 ・ノイズの発生源を金属でシールドして隔離し、金属を大地アースに低い抵抗値でつなぐ。
   (主としてモーター、リレー、エンジン、高速動作や大電力の電子回路、プラズマ炉)
 ・GNDライン、フレームGNDを大地アースに確実につなぐ、3P電源コードを正しく使用する。
 ・外部のリレーなどで急激に電位・電流が変化するラインは、隔離し周囲やGNDラインへの
  影響を抑え、できるだけオーバーシュート・アンダーシュートが発生しないようにする。

        

 ・電力供給線と制御・信号線を平行に配置せずなるべく距離を置き、短めに配置する。
 ・製品をシールド内に隔離する。

   

 ・信号線をアイソレータや光ケーブルなどで絶縁したり、シールドを行う。
 ・電力供給ラインにコアをいれたり電力容量を強化する。
 ・USBやLANのハブなどの中間機器のGNDラインが浮いている場合は大地アースに接続する。

      

 ・信号の変化によるノイズの発生を抑えるために信号線にフィルタやコア、容量を付ける。
 ・信号線または電力線とペアになるGNDラインを使ってツイストペアを作る。
 ・電圧/電流の大きな変化がある電力線の変化を緩やかにする。
 ・設置場所が変わる場合や電力供給条件が変わる場合は現場で確認する。
 ・周辺環境が変化した場合は前後で動作に変化がないか確認をおこなう。

などがありますが、環境によっては同じような構成のシステムでも対策が同じでないこともあるので十分に検討が必要です。


測定におけるノイズとは

測定においてもノイズが混入すると測定値がばらついたり、値がずれたりします。特に小さい値を測定している場合においては影響が大きいので注意が必要です。


測定する信号の周波数が低ければフィルタを使用するなどの対応も可能ですが、シールドを行うなど できるだけノイズを受けなくする対策が重要です。

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