定電力制御機能を持つ直流安定化電源によるヒーター制御

化学反応の評価や熱交換器（ヒートパイプ）の評価などでは、一定の割合で温度が変化するような熱源として、ヒータに 供給電量を一定に供給します。

ヒーターの抵抗値が温度によって変化しない場合は一定の直流電圧を印加すれば定電力となりますが、一般的にヒーターは温度が高くなるにしたがって抵抗値が大きくなります。 ニクロム線ヒーターでは約1割、白金線ヒーターなどでは約10倍の抵抗値変化が発生します。このため発生する熱量を一定にするためには電力を一定して供給することが必要になります。

電源装置が一定の電力を出力する場合、通常の電源であれば出力の電圧と電流を測定し、電圧または電流の設定を可変して一定の電力を供給するアプリケーションが必要ですが、定電力機能がある電源であれば電力値を設定するのみで対応できます。当社では主力モデルのPSWシリーズに定電力制御を追加するオプション(+Y1W)と、標準で定電力モードを持つPPXシリーズ、PSFシリーズをご用意しております。

対象機種

　PSWシリーズの定電力機能は以下の仕様となります。

※定電力制御機能は電圧・電流測定値によるソフトウエア機能です。応答速度は最小50msとなります。
※定電力制御の精度は規定されません。ソフトウエアによる機能実現のため、電力設定値が定格電力の10%未満および出力電流値が定格電流の10%未満のエリアでは動作が不安定になる場合があります。

■定電力制御機能が標準装備のPPXシリーズ

シリーズ	機種	定格電力	定電力設定分解能
PPXシリーズ	PPX10-5	50W	0.1W
	PPX20-2	40W
	PPX20-5	100W
	PPX36-1	36W
	PPX36-3	100W
	PPX100-1	100W
	PPX20-5G	100W
	PPX36-3G	100W

■定電力制御機能が標準装備のPSF-Lシリーズ／PSF-Hシリーズ

シリーズ	機種	定格電力	定電力設定分解能
PSF-Lシリーズ	PSF-400L	400W	10W
	PSF-800L	800W	10W
	PSF-400L2	400W	10W
PSF-Hシリーズ	PSF-400H	400W	10W
	PSF-800H	800W	10W

定電力制御イメージ

200Wの設定で1時間出力すると200Whとなります。また、この時の熱量は電力×秒数なので720kJとなります。